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緊縮財政時代の米国防戦略
―― 日本の安全保障とA2・AD戦略

アンドリュー・F・クレピネビッチ
戦略・予算分析センター会長

Strategy in a Time of Austerity

Andrew F. Kurepinevich, Jr アメリカの国防政策分析者で、米陸軍を経て、現在は、戦略・予算分析センター会長。ウエストポイントを卒業後、米陸軍に勤務し、この間に3人の国防長官のスタッフを務めた。陸軍時代にハーバード大学で博士号を取得した後に出版した、The Army and Vietnamは大きな話題となった。2009年には7 Deadly Scenarios: A Military Futurist Explores War in the 21st Century,を出版し、中国の軍事力増強、イランの核開発、精密誘導兵器の拡散が何を意味するかを分析している。同様のテーマでフォーリン・アフェアーズ誌でも「米軍は東アジア海域とペルシャ湾に介入できなくなる?――危機にさらされる前方展開基地と空母」(フォーリン・アフェアーズ・リポート2009年9月号掲載)を発表している。

2012年12月号掲載論文

アメリカの国防予算が大幅に削減されるのは避けられず、アメリカの安全と繁栄に不可欠な「西太平洋と湾岸地域」、そして(海洋、宇宙、そしてサイバースペースという)「グローバルな公共財」へのアクセスを維持することに焦点を合わせた戦略をとる必要がある。西太平洋の安定とアクセスを保障するアメリカの戦略の要となるのは、やはり日本だ。日本は接近阻止・領域拒否(A2・AD)戦略への投資を大幅に増やして、中国や北朝鮮による攻撃の危険を低下させるべきだ。同盟国によるこうした試みが実現すれば、(中国など)ライバル国が持つA2・ADシステムの射程外から使用できる長距離攻撃システム、敵のA2・ADのレンジ内でも効果的に活動できる攻撃型原子力潜水艦など、米軍の強みを生かせるようになる。ここに提言するアクセス保障戦略とは「米軍は(予算の制約下で)現実的に何ができるか」を前提にした戦略だ。

  • 新戦略への厳しい決断を 部分公開
  • 国防予算縮小の時代へ
  • 西太平洋の中国、ペルシャ湾のイラン
  • 脅かされるグローバルな公共財
  • 資源と目的間のギャップを狭めるアクセス保障戦略
  • 困難な選択を下すには
  • 現実的な戦略への回帰を

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